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DYNOJET シャーシダイナモ パワーチェック
- 2011-04-22 (Fri)
- Impression
HEALTECH ELECTRONICS 製 X-TRE Power Box と Blue Lightning Racing 製 i-CON2 を装着したという事で、マフラー(AKRAPOVIC製スリップオン)、エアフィルター(BMC製)、スパークプラグ(NGK製イリジウムIX)、エンジンオイル(YAMALUBE製4RS)、スプロケット(SUNSTAR製)、チェーン(RK製LG520UW-R)に加えて、電子制御系のカスタマイズが完了し、パワーに関するポイントを一通りおさえましたので、現状どのようなパワーと特性になっているのか感覚だけでなく数値として知りたいという事で、シャーシダイナモによるパワーチェックを行いました。
RSタイチ阪奈本店 で紹介された、大阪府大東市にある DYNOMAN・野口商会 さん【〒574-0064 大阪府大東市御領3-15-43 TEL: 072-380-8936】にてパワーチェックを依頼しました。
>>>DYNOMAN・野口商会さんについての情報はこちらです。
インジェクションチューニングならびにシャーシダイナモでメジャーな Dynojet 社製の シャーシダイナモ を使用し、同 Dynojet 社製の Power Commander でのセッティングを得意とする、本場アメリカ公認のサービスディーラーだそうです。
さらに DYNOMAN・野口商会 さんは、西日本(大阪・兵庫・奈良・和歌山・三重)統括のダイノジェットマイスター店でもあるそうで、シャーシダイナモを活用しての高度なセッティングノウハウを持つショップのようです。
追記:現在は様々な紆余曲折があって組織立った活動から距離を置き、それまでに培ったノウハウを活かして独自の業務を行われているとの事です。
ショップマスターのお話によると、Dynojet 社製の Power Commander だけに限らず、様々なメーカーのインジェクションコントローラーでのセッティングも行うようです。
パワーチェックに掛かる費用は¥3,150(税込)で大手量販店などでの費用の6割程度と安く設定されており、この価格であれば短いスパンでパワーチェックをしてみたいと思えますし、この費用で結果に対して的確で分かりやすいアドバイスも頂けるので、非常にリーズナブルかつコストパフォーマンスが高いと言えると思います。
パワーチェックを行う前に少しでも条件が良くなるように、傷んでいたチェーンを新品に交換しエンジンオイルも交換しておき、タイヤの空気圧もチェックして一通りメンテナンスをしておきました。
ちなみに計測直前の走行距離は約11800kmでした。
2011年4月4日の午後3時にお店に伺いました。この日は小春日和のほどよい気温(18℃)と気圧(1030mBars)で湿度も低く(18%)、パワーチェックには好条件が揃っていたと思います。
早速パワーチェックの為の車両の準備(シャーシダイナモに車体を固定し、点火信号を探したりAFセンサーをセットしたりします。)をしている間に、用意されている問診票に車両の状態や改造点などを記入します。
数分で用意は完了し、いよいよパワーチェックの為にエンジン始動です。
画像左上の階段の隙間から見えるモニターをチェックしながら、ギアは4速で2,000rpmからスタートしてレブリミットの12,000rpm近くまでエンジンを回してパワーチェックします。
作業は全てお任せなので見ているだけですが、車体が静止状態でレブリミットまでエンジンを回し、後輪が高回転するのでなかなかの迫力でした。
パワーチェックの結果です。グラフと数値で表されています。
上のグラフ濃いブルーのラインが馬力で薄いブルーのラインがトルクです。
下のグラフは排気ガスから測定された空燃比(混合気における空気質量を燃料質量で割ったもの)で、混合気中の酸素と燃料が、過不足なく反応する時の理論空燃比は14.7とされていますが、実際に一番力が出るとされている少し燃料が濃い目(リッチ)の13.0を理想値として赤い点線で表されています。
5,000rpm辺りまでやたらと薄い(リーン)数値が出ているのは、触媒での排ガス浄化を促すためにエンジンの排気バルブ以降でエアを取り込み排気ガスと混合させる「2次空気供給装置」が機能しているためですので、実際の空燃比とはかけ離れています。
まず最高出力の馬力とトルクですが、馬力が【 48.80 PS 】トルクが【 3.44 kg・m 】という結果でした。
カタログ掲載の最高出力値が【 53.00 PS 】【 3.80 kg・m 】なので、おや?と思ってしまいますが、このパワーチェックはあくまで後輪での出力を計測して数値をはじき出していますので、カタログ掲載のエンジン単体での出力値より低い結果になるのは当然の事なのです。
エンジン単体での出力から後輪出力にいたるまでにギア、クラッチ、ミッション、チェーン、スプロケット、タイヤのグリップ力、各部の質量等々のフリクションロスが発生していますので、一般的にエンジン単体出力の80%~88%が後輪出力(フリクションロス分が12%~20%)であるとされています。
その補正値を元にエンジン単体での出力を計算してみると以下のようになりました。まずは馬力です。
私が調べた限りでは、フリクションロス分が12%~20%というのは幅がありすぎるので、平均値として15%程度とする事が一般的という事だそうです。
計算の結果、平均値の15%では【 57.41 PS 】とカタログ掲載値を軽く上回り、一番厳しい12%でも【 55.45 PS 】とカタログ掲載値を上回る結果が出ました。
一番甘い設定の20%では【 61.00 PS 】という数字が出ましたが、これはさすがに無いと思われます。
続いてトルクについては以下の通りです。
こちらも一番厳しい12%でもカタログ掲載値を上回り、セッティングを詰めていない状態ながらノーマルのカタログ掲載値を上回る結果が出て、様々な変更がそれなりに功を奏していると見て良いと思われます。
ただ、グラフを見て分かるとおり馬力、トルク共に6,000rpm辺りで落ち込みが見られ、実走行時にも減速感までは無いにしても加速感が鈍る症状があり、ショップマスターから「この落ち込みを改善させてなだらかな曲線を描けるようになれば、淀みなく加速感が続き最高出力も現状より引き上げる事ができるはず」とのアドバイスを頂きました。
自分的には今までもさほど気にならない症状(言われてみて認識する程度)でしたが、恐らく2ストローク車での経験が長く、パワーバンド手前の中回転域の“谷”についてはある程度存在して当然と思ってしまっていた為かと思われます。
トルクグラフの曲線はかなりの“谷”が現れていますが、最高トルク値が低くグラフの下限上限が1.5kg・m~4.0kg・mと範囲が狭く目盛りが細かくなっていますので、より大袈裟に見えてしまっていると思います。
実際“谷”の落ち込み前から底までは、約3.0kg・mから約2.6kg・mへ約0.4kg・mの落ち込みと、数値自体は小さいものです。最高トルク値が3.44 kg・mで約11.6%分の落ち込みなので、あまり大袈裟に感じないのではないかと思われます。
惜しむらくは全くのノーマル状態での実測データが無く直接比較ができないので、現状の変更点で何がどれほどの効果を発揮しているか、あるいは悪影響を及ぼしているのかの判断ができない事です。
また、ショップマスター曰く「フルノーマル状態でここまでの“谷”ができるのはメーカーから出荷される製品としては考えにくく、現状の変更点のどこかで影響が出てしまっているのでは?」という診断で、とりあえずは Blue Lightning Racing 製 i-CON2 のインジェクションセッティングを変更して、6,000rpm~7,500rpm辺りの空燃比が12.0以下と濃く(リッチ)なっている部分を薄くしてみて、症状が改善されるか検証してみたいと思います。
オマケのパワーチェックとして、アクセル開度が中開度時(赤のライン)と小開度時(青のライン)のパワーチェックも出して頂けました。
やはり中開度時、小開度時共に、なだらかながら6,000rpm辺りに“谷”が出ているのが見て取れます。
今回初めてパワーチェックをして現状を感覚ではなく数値やグラフとして出した事で、改善するべきポイントがあぶり出され方向性も判明しましたので、非常に有意義だったと思います。
今後自分なりに試行錯誤を重ねてみて、感覚的に良い方向に持って行けたと感じたら再度パワーチェックをしてみて結果を見てみたいと思います。
当日の様子は DYNOMAN・野口商会 さんの ブログ でもアップされていましたので、こちらも合わせてご覧下さい。
>>>DYNOMAN・野口商会さんのブログ記事はこちら。
RSタイチ阪奈本店 で紹介された、大阪府大東市にある DYNOMAN・野口商会 さん【〒574-0064 大阪府大東市御領3-15-43 TEL: 072-380-8936】にてパワーチェックを依頼しました。
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さらに DYNOMAN・野口商会 さんは、西日本(大阪・兵庫・奈良・和歌山・三重)統括のダイノジェットマイスター店でもあるそうで、シャーシダイナモを活用しての高度なセッティングノウハウを持つショップのようです。
追記:現在は様々な紆余曲折があって組織立った活動から距離を置き、それまでに培ったノウハウを活かして独自の業務を行われているとの事です。
ショップマスターのお話によると、Dynojet 社製の Power Commander だけに限らず、様々なメーカーのインジェクションコントローラーでのセッティングも行うようです。
パワーチェックに掛かる費用は¥3,150(税込)で大手量販店などでの費用の6割程度と安く設定されており、この価格であれば短いスパンでパワーチェックをしてみたいと思えますし、この費用で結果に対して的確で分かりやすいアドバイスも頂けるので、非常にリーズナブルかつコストパフォーマンスが高いと言えると思います。
パワーチェックを行う前に少しでも条件が良くなるように、傷んでいたチェーンを新品に交換しエンジンオイルも交換しておき、タイヤの空気圧もチェックして一通りメンテナンスをしておきました。
ちなみに計測直前の走行距離は約11800kmでした。
2011年4月4日の午後3時にお店に伺いました。この日は小春日和のほどよい気温(18℃)と気圧(1030mBars)で湿度も低く(18%)、パワーチェックには好条件が揃っていたと思います。
早速パワーチェックの為の車両の準備(シャーシダイナモに車体を固定し、点火信号を探したりAFセンサーをセットしたりします。)をしている間に、用意されている問診票に車両の状態や改造点などを記入します。
数分で用意は完了し、いよいよパワーチェックの為にエンジン始動です。
画像左上の階段の隙間から見えるモニターをチェックしながら、ギアは4速で2,000rpmからスタートしてレブリミットの12,000rpm近くまでエンジンを回してパワーチェックします。
作業は全てお任せなので見ているだけですが、車体が静止状態でレブリミットまでエンジンを回し、後輪が高回転するのでなかなかの迫力でした。
パワーチェックの結果です。グラフと数値で表されています。
上のグラフ濃いブルーのラインが馬力で薄いブルーのラインがトルクです。
下のグラフは排気ガスから測定された空燃比(混合気における空気質量を燃料質量で割ったもの)で、混合気中の酸素と燃料が、過不足なく反応する時の理論空燃比は14.7とされていますが、実際に一番力が出るとされている少し燃料が濃い目(リッチ)の13.0を理想値として赤い点線で表されています。
5,000rpm辺りまでやたらと薄い(リーン)数値が出ているのは、触媒での排ガス浄化を促すためにエンジンの排気バルブ以降でエアを取り込み排気ガスと混合させる「2次空気供給装置」が機能しているためですので、実際の空燃比とはかけ離れています。
まず最高出力の馬力とトルクですが、馬力が【 48.80 PS 】トルクが【 3.44 kg・m 】という結果でした。
カタログ掲載の最高出力値が【 53.00 PS 】【 3.80 kg・m 】なので、おや?と思ってしまいますが、このパワーチェックはあくまで後輪での出力を計測して数値をはじき出していますので、カタログ掲載のエンジン単体での出力値より低い結果になるのは当然の事なのです。
エンジン単体での出力から後輪出力にいたるまでにギア、クラッチ、ミッション、チェーン、スプロケット、タイヤのグリップ力、各部の質量等々のフリクションロスが発生していますので、一般的にエンジン単体出力の80%~88%が後輪出力(フリクションロス分が12%~20%)であるとされています。
その補正値を元にエンジン単体での出力を計算してみると以下のようになりました。まずは馬力です。
後輪出力(PS) | 補正値(%) | 計算式 | エンジン単体出力(PS) |
48.80 | 88 | 48.80÷88% | 55.45 |
48.80 | 85 | 48.80÷85% | 57.41 |
48.80 | 80 | 48.80÷80% | 61.00 |
計算の結果、平均値の15%では【 57.41 PS 】とカタログ掲載値を軽く上回り、一番厳しい12%でも【 55.45 PS 】とカタログ掲載値を上回る結果が出ました。
一番甘い設定の20%では【 61.00 PS 】という数字が出ましたが、これはさすがに無いと思われます。
続いてトルクについては以下の通りです。
後輪出力(kg・m) | 補正値(%) | 計算式 | エンジン単体出力(kg・m) |
3.44 | 88 | 3.44÷88% | 3.90 |
3.44 | 85 | 3.44÷85% | 4.04 |
3.44 | 80 | 3.44÷80% | 4.30 |
ただ、グラフを見て分かるとおり馬力、トルク共に6,000rpm辺りで落ち込みが見られ、実走行時にも減速感までは無いにしても加速感が鈍る症状があり、ショップマスターから「この落ち込みを改善させてなだらかな曲線を描けるようになれば、淀みなく加速感が続き最高出力も現状より引き上げる事ができるはず」とのアドバイスを頂きました。
自分的には今までもさほど気にならない症状(言われてみて認識する程度)でしたが、恐らく2ストローク車での経験が長く、パワーバンド手前の中回転域の“谷”についてはある程度存在して当然と思ってしまっていた為かと思われます。
トルクグラフの曲線はかなりの“谷”が現れていますが、最高トルク値が低くグラフの下限上限が1.5kg・m~4.0kg・mと範囲が狭く目盛りが細かくなっていますので、より大袈裟に見えてしまっていると思います。
実際“谷”の落ち込み前から底までは、約3.0kg・mから約2.6kg・mへ約0.4kg・mの落ち込みと、数値自体は小さいものです。最高トルク値が3.44 kg・mで約11.6%分の落ち込みなので、あまり大袈裟に感じないのではないかと思われます。
惜しむらくは全くのノーマル状態での実測データが無く直接比較ができないので、現状の変更点で何がどれほどの効果を発揮しているか、あるいは悪影響を及ぼしているのかの判断ができない事です。
また、ショップマスター曰く「フルノーマル状態でここまでの“谷”ができるのはメーカーから出荷される製品としては考えにくく、現状の変更点のどこかで影響が出てしまっているのでは?」という診断で、とりあえずは Blue Lightning Racing 製 i-CON2 のインジェクションセッティングを変更して、6,000rpm~7,500rpm辺りの空燃比が12.0以下と濃く(リッチ)なっている部分を薄くしてみて、症状が改善されるか検証してみたいと思います。
オマケのパワーチェックとして、アクセル開度が中開度時(赤のライン)と小開度時(青のライン)のパワーチェックも出して頂けました。
やはり中開度時、小開度時共に、なだらかながら6,000rpm辺りに“谷”が出ているのが見て取れます。
今回初めてパワーチェックをして現状を感覚ではなく数値やグラフとして出した事で、改善するべきポイントがあぶり出され方向性も判明しましたので、非常に有意義だったと思います。
今後自分なりに試行錯誤を重ねてみて、感覚的に良い方向に持って行けたと感じたら再度パワーチェックをしてみて結果を見てみたいと思います。
当日の様子は DYNOMAN・野口商会 さんの ブログ でもアップされていましたので、こちらも合わせてご覧下さい。
>>>DYNOMAN・野口商会さんのブログ記事はこちら。
'08年モデルまでのGSR400の油温について考察
- 2010-08-15 (Sun)
- Impression
先日 ヨシムラ製 デジタル デュアル テンプメーター を装着して、走行時の正確な油温、水温のチェックが可能になりましたので、その値をチェックしてみました。
水温は冷却水の流れを約82℃まで抑制して水温の上昇を早め、エンジンにとって適正な水温を保つようにするサーモスタットを装備していることもあり、8月半ばの一番気温が高く暑い時期においても90℃を超えることはまれで、高回転域を保って走行しても80℃台を維持していて全く問題は無く、4ストロークエンジンがより性能を発揮できる適正水温内に収まっていました。
これは恐らくGSR400のエンジンが、元々レース使用を前提とした高性能エンジンを搭載するGSX-R600からの流用でボアダウンしたものである為、冷却系もGSX-R600の性能に対応するレベルのモノ(ウォーターポンプ、ラジエター等の能力や容量)が装備されているため、400ccエンジンには余りある冷却性能を持っているためだと思われます。
水温については全く問題がないことが確認できましたが、油温について気がついたことがありました。
意図的に速度に対して低めのギヤを使用し、エンジン回転数を高めにして負荷を与えて走行してみたのですが、概ね水温よりも少し低めの温度を表示していました。
油温の適正温度については、私自身で調べたところエンジンの仕様や目的、オイル製造メーカーの考え方、エンジンチューナーなど現場での経験からの考え方などで諸説あるようですが、概ね水温よりも約10℃ほど高めの90℃~100℃を基準にすると良いとの事でした。
という事はGSR400の場合この暑い時期に高負荷を与えた状況で水温よりも低い温度にしかならないというのは、オイルにとってもエンジンにとってもあまり良くない事なのでは?と思いました。
ネット上で同じGSR400ユーザーさんの実例では、冬場にエンジンオイルが乳化してしまう症例があり、厳冬期にはクランクケース内で結露を起こしやすい状況に重ねて、エンジンオイルが冷えすぎて適温に達しにくく(特に短距離しか走行しなかったり、低回転域でしか走行する事が多い場合)水分を蒸発できずに乳化しやすい状況になっているのでは?と思われます。
エンジンオイルが適温に達しない原因としては、'08年モデルまでのGSR400がエンジンオイルを冷却水を使って冷却していることによるものと思われます。
エンジンオイルフィルターの奥側にある画像の赤で丸く囲ったグレーの部分が、オイルを冷却水で冷却している部分です。
恐らくGSX-R600やGSR600のエンジン性能、熱量(カロリー)ではオイルの水冷が必要となり装備されているものと思われますが、そのままの仕様でボアダウンしただけの'08年モデルまでのGSR400では、熱量(カロリー)に対して冷却性能が過剰になってしまい、エンジンオイルが適温に達しない結果になるのだと思います。
事実、'09年モデル以降の61馬力仕様車では吸排気、エンジン、電気に、より400ccに適した変更が施され、その変更点の中には『水冷式オイルクーラーの削除』があります。
実際61馬力の出力があるのかどうかは別にして、公称出力値が従来よりも大幅に増えているにも関わらず水冷式オイルクーラーを削除したという事は、これはメーカー側も400ccではエンジンオイルが適正温度に達しない事を認識し、コストカットの観点だけでなく水冷式オイルクーラーは過剰な装備なので必要ではないとの判断で削除されたのだと思います。
'09年モデル以降の61ps仕様車では、水冷式オイルクーラーの排除によって実際どの程度の油温になっているのか、一度確認してみたいものです。
水温は冷却水の流れを約82℃まで抑制して水温の上昇を早め、エンジンにとって適正な水温を保つようにするサーモスタットを装備していることもあり、8月半ばの一番気温が高く暑い時期においても90℃を超えることはまれで、高回転域を保って走行しても80℃台を維持していて全く問題は無く、4ストロークエンジンがより性能を発揮できる適正水温内に収まっていました。
これは恐らくGSR400のエンジンが、元々レース使用を前提とした高性能エンジンを搭載するGSX-R600からの流用でボアダウンしたものである為、冷却系もGSX-R600の性能に対応するレベルのモノ(ウォーターポンプ、ラジエター等の能力や容量)が装備されているため、400ccエンジンには余りある冷却性能を持っているためだと思われます。
水温については全く問題がないことが確認できましたが、油温について気がついたことがありました。
意図的に速度に対して低めのギヤを使用し、エンジン回転数を高めにして負荷を与えて走行してみたのですが、概ね水温よりも少し低めの温度を表示していました。
油温の適正温度については、私自身で調べたところエンジンの仕様や目的、オイル製造メーカーの考え方、エンジンチューナーなど現場での経験からの考え方などで諸説あるようですが、概ね水温よりも約10℃ほど高めの90℃~100℃を基準にすると良いとの事でした。
という事はGSR400の場合この暑い時期に高負荷を与えた状況で水温よりも低い温度にしかならないというのは、オイルにとってもエンジンにとってもあまり良くない事なのでは?と思いました。
ネット上で同じGSR400ユーザーさんの実例では、冬場にエンジンオイルが乳化してしまう症例があり、厳冬期にはクランクケース内で結露を起こしやすい状況に重ねて、エンジンオイルが冷えすぎて適温に達しにくく(特に短距離しか走行しなかったり、低回転域でしか走行する事が多い場合)水分を蒸発できずに乳化しやすい状況になっているのでは?と思われます。
エンジンオイルが適温に達しない原因としては、'08年モデルまでのGSR400がエンジンオイルを冷却水を使って冷却していることによるものと思われます。
エンジンオイルフィルターの奥側にある画像の赤で丸く囲ったグレーの部分が、オイルを冷却水で冷却している部分です。
恐らくGSX-R600やGSR600のエンジン性能、熱量(カロリー)ではオイルの水冷が必要となり装備されているものと思われますが、そのままの仕様でボアダウンしただけの'08年モデルまでのGSR400では、熱量(カロリー)に対して冷却性能が過剰になってしまい、エンジンオイルが適温に達しない結果になるのだと思います。
事実、'09年モデル以降の61馬力仕様車では吸排気、エンジン、電気に、より400ccに適した変更が施され、その変更点の中には『水冷式オイルクーラーの削除』があります。
実際61馬力の出力があるのかどうかは別にして、公称出力値が従来よりも大幅に増えているにも関わらず水冷式オイルクーラーを削除したという事は、これはメーカー側も400ccではエンジンオイルが適正温度に達しない事を認識し、コストカットの観点だけでなく水冷式オイルクーラーは過剰な装備なので必要ではないとの判断で削除されたのだと思います。
'09年モデル以降の61ps仕様車では、水冷式オイルクーラーの排除によって実際どの程度の油温になっているのか、一度確認してみたいものです。
週末GSRに乗って気付いた点
- 2008-10-15 (Wed)
- Impression
・ | OEMタイヤのBS-014リアタイヤが想像以上にダメ。エッジグリップが頼りなくヌルヌルと滑り、コーナー中のもうひと荷重、もうひと寝かしが不安でできない。空気圧は規定値2.5kgf/cm2より低めの2.2kgf/cm2。 走行後のゴムの溶け方も、走行ペースから考えるとありえないくらいサラサラでゴムが硬い感じ。 ホーネットの時に同銘柄の一般市販品を履いていましたが、そんな感じは無かったので、やはりOEMモノは別物っぽいです。 フロントタイヤも同様に安心感が低いです。 |
・ | リアサスはイニシャル全抜きで慣らしをしましたが、ギャップなどでの突き上げがきつく初期の動きが悪い感じ。高速域でのコーナーではタイヤのグリップ不足と相まってグニャッとした腰砕け感と動いた後の収束性がよろしくないです。 これは今までのホーネットにもNSRにもオーリンズが入っているので、余計にそんな感じがするんだと思います。もしかしたらリンクの特性がよろしくないのかも? ノーマルですしSS系なんかよりショックの造りがよろしくないと思われるので仕方ないところですかね。 フロントはペースが上がればバネ、減衰共に少々柔らかく感じてきますが、剛性感は高くそんなに不満はありませんでした。 |
・ | スロットルがロースロ過ぎ。これは今までハイスロ車ばかりだったので単純に人間がさぼってひねりが少ないだけ。でもそれにしてもパワーに対して開度が広すぎるので、ハイスロは必須かも。これはすでに発注済で入荷待ち。 |
・ | 盆栽仕様(笑)なのでキャリパーをブレンボのキャスト4パッドに交換しましたが、これに元から入っているパッドがダメらしく効きません。ノーマルの方が効いてました(笑)これは後々ZCOOか何かに変更予定。 |
・ | エンジンパワーは高回転域での盛り上がり感が無くスムーズそのもので、あんまり面白くないです。600ccの単純ボアダウンで相対的にロングストロークになっている影響でしょうか?でもいつの間にか速度は乗ってる感じ。某所でメータ読みふわわは軽く記録。 |
・ | 低回転での開け始めのトルク感は十二分にあります。インジェクション車によく言われているドン付き感は全然ありません。確かに開け始めのごく初期の反応はキャブとは全然違って良いですが、不快に思うほどではないです。 私の場合今までのキャブ車ではスロットルの遊びを一切取ってなかったのですが、反応が良いので少し取るようにしました。 |
・ | 未だにマフラーが入荷待ちでノーマルなのですが、あまりに静かで感覚的(聴覚的)にエンジン回転数を感じることができず、コーナーで美味しい回転域に合わせることが難しいです。 更に周りにマフラーを換えている車両がいると、自分の排気音は全く聞こえずエンジンの振動やタコメーターを確認しながら走らないといけません。 五月蠅すぎるのは問題ですが、静かすぎても問題ありますね。音ってこんな重要だったんですね。 |
・ | ノーマルハンドルは広くて絞りが少なく遠いので、EFFEX EZ-FIT BARのCB-SF 99-07のロータイプに変更。好み通りの幅と絞り角になってコンパクトになり、操作しやすく疲れも減りました。できればハンドルをセットバックさせても う少し近くしたいところ。(外品トップブリッジが無いので現状では無理) |
・ | カウル無しでは腕が風圧で持って行かれるので非常に疲れました。マジカルのカウル装着後はかなり楽になりました。 |
ネガな点が多くなっちゃいましたが、走行ペースがそんなに高くなければここまで感じなかったと思います。とりあえず現状ではこんな感じです。
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